新潟県十日町市のカールベンクスハウスを訪ねて

Eテレで放送中の番組、「カールさんとティーナさんの古民家村だより」。
新潟県十日町市竹所集落に住む、ドイツ人建築家カール・ベンクスさんと奥様が主人公のドキュメンタリーですが、この番組が大好きで、、

カール・ベンクスさんのプロフィールを簡単にご紹介しますと、空手留学のために来日、やがて木造建築に魅せられ古民家再生・移築ビジネスを行うことに。
たまたま訪れた竹所に一目惚れし、現在の自宅となる古民家を購入し再生させることに。全国で再生した古民家は約50軒、2017年「ふるさとづくり大賞(内閣総理大臣賞)」を夫人とともに受賞されています。

そんなカールさんが竹所集落で蘇らせた古民家は計8棟にわたります。
取り壊し寸前だったあばら屋をはじめとする古民家は、いったん解体し全て元通りに組み直しているのだとか。窓には冬の豪雪にも耐えられるドイツ製ペアガラスがはめられ、内壁には断熱材、外壁は鮮やかなオレンジ色やピンク、黄色に塗られています。
日欧の融合ともいえる再生された古民家には、古材を利用した和家具と外国製のものが違和感なく共存しています。

「私と同じように、この村を気に入る人が絶対に居るはず」と、施主が決まらないうちから次々に廃墟を再生し、大都市から移住してきた人も居るのだとか。
それだけでなく、日本全国から再生された古民家を見学に来る人が後を絶たないのだそうです。

いつか実際にこの地を訪れてみたい、、そう考えていたところ、十日町の工場を視察する機会があったため、竹所の最寄り駅であるまつだいまで足を延ばしてみることにしました。

さて、名古屋からまつだいまでどうやって行くべきか?
悩んだ末、東京を経由して上越新幹線で越後湯沢まで行き、そこからはローカル線に乗り換えることに。

まつだい駅に到着して、駅からの道を10分ほど歩くとオレンジ色の壁の古民家が見えてきます。
1階がカフェスペース「澁い」、2階がカールさんの事務所となっている、まつだいカールベンクスハウスです。
1階のカフェは休業日でも営業時間外でもなく、無事に店内に入ることができました。
中は太い無垢の柱や梁を張り巡らせた吹き抜けの大空間が広がっています。

ちょうど席も空いていたので、アップルパイと飲み物を注文。
内装やインテリア、カフェ内に置かれた書籍などを眺めながらゆっくりとした時間を過ごすことができました。

しばらくのんびりしていると、壁際の階段箪笥から人が降りてくる軽快な足音が聞こえます。背が高く眼鏡をかけたグレイヘアの男性をよく見るとカール・ベンクスさんご本人では。

何か話しかけるチャンスでは、、しかし何を話しかけたら良いのか見当が付かない、、
そんなことを考えているうちに、ご本人は颯爽と外に止めてあった車に乗り込み出かけていってしまいました。
そういえば2階はカールさんの事務所でしたが、まさかご本人にお会いできるとは思ってもいませんでした。

すると、カフェでお茶をしていた数人のグループが2階へと上がっていっています。
どうやら2階の事務所は見学可能な様子。
ということで、カールさんの仕事の邪魔をすることもなさそうなので2階も見学させてもらうことにしました。

2階は通路を挟んでいくつかの小部屋に分かれています。
柱や梁がとても美しく落ち着きを感じさせてくれます。

車の運転ができればレンタカーでも借りて竹所集落を巡りたいところですが、残念ながら運転ができないためカール・ベンクスさんの古民家を巡るのもここまで。
カールベンクスハウスを実際に訪れてみると、まるで建物自体が呼吸をしているかのような、温かな体温を感じる不思議な感覚がありました。

再生された古民家の魅力とは、、
建てられた当時の技術を後世に継承できること、健康を害するような材料は使用しないで済むこと、最先端の技術をミックスさせることができることなどが挙げられるかと思います。色々な意味で持続可能性について考えることができました。
カール・ベンクスさんご本人のパーソナリティにも触れることができ、とても良い経験となりました。

GWの旅〈厳島神社と神勝寺・禅と庭のミュージアム〉

海面にそびえる朱塗りの大鳥居といえば、宮島の厳島神社を思い浮かべる方が多いのでは。
その大鳥居や本殿・廻廊を自分の目で見てみたく、松山から足を伸ばして宮島へ行ってきました。

訪れた日は天気が良く、神社仏閣巡りにうってつけ。
広島駅から電車で宮島口駅まで行き、フェリーでおよそ10分ほどで宮島に到着しました。

GWだから仕方がありませんが、フェリー乗り場といい宮島といい、とにかく凄い人の数!
観光客の数に圧倒されそうになりながら、急ぎ厳島神社へと向かいます。

厳島神社といえば、やはり海面に姿を表す大鳥居と本殿ですが、なにか様子がおかしい…
というか、大鳥居も本殿も海に浮かんでいないのです!?

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あいにく、この日は干潮だったようです。
潮の満ち引きまでは全く考えておりませんでした…

が、気を取り直して廻廊を巡ります。
厳島神社の社殿の主要な部分は、ほぼ平安時代に造られたそうです。
寝殿造りの平安様式で、世界文化遺産にも登録されています。

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ある意味とても印象的な宮島訪問でした。

さて、翌日は福山へ移動し、神勝寺・禅と庭のミュージアムへ。
臨済宗建仁寺派の寺院ですが、名称にある通り、広大な庭園や伽藍(がらん)、茶室、アートパビリオン、コレクションを含めた壮大なミュージアムです。

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アートパビリオン洸庭では、こけら葺きの技法で造られた船型の建物の中に入り、闇の中に浮かぶ光が織りなすインスタレーションを体感することができます。

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お昼は敷地内の庫裏(くり)、五観堂で湯だめのうどんをいただきました。
禅宗の修行僧である雲水には一番のご馳走なのだそう。
(肝心のおうどん、写真を撮り忘れてしまいました…)

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休憩は滋賀県の永源寺より移築したという含空院で、煎茶と栗餅を。

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浴室も七堂伽藍のひとつなのだとか。
通り抜ける風が気持ちの良い外湯にもお邪魔を。

こちらの施設のコンセプトは、日常の実践のすべてに覚醒の契機を見出そうとする禅宗のあり方を学ぶのではなく楽しむ…なのだそう。
五感を刺激し、解放する。そんなことを意識的に行っていくことが必要なのかもしれませんね。

GWの旅〈道後温泉と瀬戸内リトリート〉

宮崎駿監督の代表作のひとつである千と千尋の神隠し。
その舞台である油屋のモデルと言われる、愛媛松山、道後温泉へと行ってきました。

道後温泉は、「日本書紀」にも登場する日本最古の温泉です。
本館三層楼の上には白鷺の形をした振鷺閤(しんろかく)が。
道後温泉は一羽の傷ついた白鷺によって発見されたとの言い伝えがあるようです。

温泉が好き、和風建築が好き、宮崎アニメが好きな自分にとって、一粒で三度楽しめる…そんな場所でした。

松山空港から松山駅へ、松山駅からは坊ちゃん電車に乗って。
訪れた日は「道後温泉オンセナート」として、道後温泉の本館で蜷川実花さんのインスタレーションが行われていました。
障子やガラスがアートで美しく彩られています。

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道後温泉を後にして訪れたのは、坂の上の雲ミュージアム。
司馬遼太郎さんの歴史小説の資料の数々が展示されています。
設計は安藤忠雄さん。各階の階段は、ひと続きのスロープで結ばれています。

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宿泊は松山の高台にある瀬戸内リトリート。
元々は大王製紙が経営を行う「エリエールゴルフクラブ松山」の、招待客用宿泊施設兼美術館として建てられたのだとか。
こちらも設計は安藤忠雄さん。(偶然です!)

宿のコンセプトは「余計なものを削ぎ落とし、本当の自分を取り戻す」。
うーん、それは自分が旅に出掛けるときのコンセプトと全く同じです。。

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周りは自然に囲まれた場所で、ひたすら静かです。
本当に無駄のない、整然とした美しさがある空間で頭の中を空っぽに。

ショップ&ギャラリー レトロワアントゥルプ

名古屋高速の小牧南インターからおよそ10分程の場所にあるショップ&ギャラリー。
お洒落なDMをいただいていたので休日に訪れてみました。

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入口で目に入るのは立派な門と美しい庭。
築150年余りの蔵を移築したという建屋は風情たっぷり。

アパレルの仕事をなさっているご主人と、
ライティングのお仕事をなさっている奥様がご一緒に始められたそう。

 

作家物の器やオブジェ、ガラス細工、洋服やバッグなどが整然と並びます。
置いてあるモノ達と空間、環境のすべてがセンス良くお洒落!

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いつまでもその空間に佇んでいたくなるような、心地の良い時間が流れています。

アートとデザインをめぐるパリの旅

新年明けましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年は新たな気分で物事に取り組むことができて良いですね。
こうしてブログを更新するのも久しぶりですが、新年ということで新たな心持ちでMacに向かえています。

さて、年末年始はフランス・パリで過ごしていたので、芸術の都にふさわしくアートとデザインをテーマに旅の記憶を辿りたいと思います。

それにしても、名古屋ーパリ間はとても時間がかかりますね!
中部国際空港から羽田を経由してシャルル・ド・ゴール空港へと向かうわけですが、羽田からパリまでおおよそ13時間ほど。
本を読んだり映画を見たり寝てみたりしますがなかなか到着しません…
ようやく到着したその日は時差ボケで寝られず。しかしのんびりしている暇はありません(笑)

宿泊したホテルはパリ6区、モンパルナス通り近くのLe Six。
ブッフェスタイルの朝食が美味しくて、クロワッサンとスクランブルエッグ、フレッシュジュースやフルーツなどをいただいていました。ここに置いてあったパレデテのフルール・ドゥ・ゲイシャというグリーンティが素晴らしく美味しくて、思わず日本に帰ってからオンラインショップを探して購入してしまいました。

元旦はほとんどの施設がお休みなので開いていたオランジュリー美術館へ。
オーバル型をした建物はモネの連作、睡蓮を収蔵するために建て替えられました。一体感のある壁が不思議な空間です。ルノワールやピカソ、マティスの作品もあります。

オランジュリー美術館

オランジュリー美術館

続いて「オペラ座の怪人」で有名なオペラ・ガルニエへ。
映画は大好きで何度も見ていたので、建物の中に入った瞬間からテンションが上がり気味。
優雅な大階段は劇場を訪れるロングドレス姿の女性客が、より美しく映えるよう設計されたそうです。
幕間の休憩所として利用される「グラン・ホワイエ」はバチカンのシスティーナ礼拝堂にそっくり!と思っていたらやはり意識して造られたのだとか。随所に琴のモチーフが散りばめられていて、探しながら見学するのも楽しいです。

オペラ座

オペラ座

オペラ座

見学した日は丁度夜間に公演を控えていたようで、ステージではセットの準備などを行っていました。
天井にはシャガールの天井画とシャンデリア。
「オペラ座の怪人」はシャンデリアが落下する事故から物語がスタートしますが、シチュエーションは異なりつつも実際に起こった事故から着想を得ているそうです。

オペラ座

オペラ座

パリに来たからには絶対に外せないのがエッフェル塔。ということでホテルのフロントの方に教えていただいた絶景スポットへ。
タクシーでの移動中に下から望むこともできたエッフェル塔は、とにかく大きくてそして美しい!
全体的なフォルムだけでなくディテールが感動的に美しく、写真でその素晴らしさが伝わらないのが残念でなりません。。

エッフェル塔

エッフェル塔

さて、パリと言えばやはりルーブル美術館。
美術館に行くとたいていオーディオガイドを借りて気に入った作品のガイダンスを聞きます。
が、とにかく広くて収蔵作品数が多いことで有名なルーブルでは、お目当ての作品の場所まで案内してくれるかなり高性能な3Dガイドを借りつつもあまり使いこなせなかった気がします…
じっくりと見ることができたのは、モナリザ、サモトラケのニケ、ミロのヴィーナス、カナの婚礼、メデュース号の筏、民衆を導く自由の女神、ナポレオンの戴冠式とジョセフィーヌの戴冠、ダイヤのエースを持ついかさま師、ガブリエル・デストレとその姉妹、多分このくらいだと思います。これだけ見るのに正味3時間ほどかかっているのでは…

ルーブル

最終日に立ち寄ったのがノートルダム寺院。
ここも実際に足を運ぶととても大きいことが分かります。

ノートルダム寺院

ノートルダム寺院

ノートルダム寺院

到着する前は、パリの街はきっとどこを切り取っても絵になるんだろうな、と想像していましたがやはりその通りでした。
雑貨屋さんの多いマレ地区、フランスが発祥のハイブランドショップが建ち並ぶサントノーレ通りなど、ショッピングはそこそこに散策するだけで楽しくワクワクする時間を過ごすことができました。

伝統美の町、有松にて

有松といえば、古い街並みやナマコ壁、絞りが有名な伝統美の町ですね。

通りを歩けば有松絞の暖簾が風にゆらめきます。

有松の町並み保存地区内にある名古屋市指定有形文化財、
竹田家住宅にて食と日本酒を楽しむ集まりが開催されるとのことで出掛けて参りました。

お軸はしゃちほこ、斬新な構図です。

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築200年以上経つ町家の庭園にある茶室は、徳川十四代将軍の家茂も訪れたそう。
そんな歴史的価値の高い茶室で、食前に一服。贅沢な時間ですね。

さて、手の込んだ料理とともに供されるのは、有松の隣町の蔵本、萬乗醸造の醸し人九平次です。
日本酒好きの方でしたらもちろんご存じなのでは。
仕込み水から徹底的にこだわって仕上げられた質の良いお酒です。

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その九平次にも様々な種類があるので、料理にあわせて沢山いただいてしまいました。
ちなみに、日本酒をいただく時はお水をしっかり飲むようにしています。
和らぎ水と言うんだそうです。美しい響きの日本語ですね。

岐阜の田口美術さん 服部しほり展

週末は名古屋から車で1〜2時間で行ける場所を訪問していることが多いですが
その中でも岐阜はしょっちゅう出掛けている特別な場所です。
自分自身が岐阜県出身のせいか(東濃です)、
アニメ映画の舞台になった飛騨古川や大垣が全国的に脚光を浴びているというニュースを聞くだけで
嬉しい気分になります。

 

この日のメインの目的は岐阜県美術館近くにある田口美術さんへの訪問ですが、その前にランチを。
金華山の近くにあるお蕎麦屋の吉照庵、明治6年創業だそう。
建物は趣のある日本家屋でとても良い雰囲気です。こちらで天ざるをいただきました。

吉祥庵

吉祥庵

ランチの後は岐阜に行くと必ず立ち寄る紅茶専門店アンノンティーハウスへ。
こちらのお店がちょっと面白くて、
¥1,000で季節や天候に合わせたその日のおすすめの紅茶を2杯3杯といただけるのです。
が、たいてい2〜3杯どころではなく5杯ほど出てきます(笑)
フルーツを使ったもの、バラの香りがするものなどなど、
天然成分から抽出されたフレーバーは100種類ほどあるそう。
水出しからホットまで、言ってみれば紅茶のフルコース?の様な感じですね。
こちらはホットケーキもおすすめです。

アンノンティーハウス

アンノンティーハウス

紅茶はお土産にも。種類がたくさんあるので迷ってしまいます。

アンノンティーハウス

さて、ようやく目的の田口美術さんへ。
服部しほりさんという作家さんによる鶏をテーマにした「一筆鶏上」。
初日は来訪者でごった返すほどの人気であっという間にほとんど売れてしまったそう。
繊細な線と大胆な構図がとても印象的な作品ばかり、伝統の中に革新が感じられます。

田口美術

田口美術

田口美術

ここに掲載している作品は全て買い手が決まってしまったそうですが、
明日11月23日まで作品を間近で見ることが可能です。

田口美術さんホームページ
http://art-taguchi.com/

 

一宮で過ごした秋の週末

9月は秋雨前線の影響で雨の多い日が続いていましたが、
10月に入ってからは秋晴れの日も増え、気持ち良く過ごせるようになりましたね。

そんな週末、愛知県一宮市を訪ねてまいりました。

お昼近くだったのでまずはランチに。
食事のできるギャラリーがあるというので織部邸へと向かいました。

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こちらはギャラリーが併設されたレストランで、
趣のあるレンガとコンクリート造りの建物が目印です。

織部邸は現代アートのギャラリーとして多くの企画展が開催され
一時期は一宮界隈のアート界を牽引する存在だったものの、
オーナーが体調を崩して一時休業するなどのことがあったようです。
(現在は体調も回復され営業再開しています)

織部邸2

織部邸3

レストランで提供される食事には作家の器が使われていたりと
様々な角度から美術鑑賞を楽しむことができ、野菜中心の料理に身も心も癒やされます。
デザートのカボチャを使ったアイスと葛も美味しかったです。

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織部邸5

その後は一宮駅近くのせんいのビル、Re-TAiL(リテイル)へ。

一宮市は繊維の町として有名ですが、
元々繊維組合のビルとして使われていた古いビルを再活用し
繊維やファッションに関するアトリエとしての利用や展示、情報発信などを行っています。

1933年に建てられたというこのビルは解体の危機を脱した経緯があるだけあって
どこか懐かしさを覚える不思議な魅力が感じられます。

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訪れた日はJAGDA AICHI(日本グラフィックデザイナー協会愛知地区)の
サンデースクールが開催されていたので少しだけ立ち見を。

ビルの一階では毛織物を中心とする様々な生地の反物が販売されています。
キズがあったりサンプル品であったり、いわゆるB品ですね。
カラフルな毛糸や反物は見ているだけで想像力がかき立てられそうです。

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リテイル3

マーケティングの勉強をしながらお料理をいただく食談会

八事石坂の家、グリシーヌ。
築80年以上の和洋館をリノベーションした2016年の春にオープンしたばかりのフレンチのお店です。

こちらのお店で開催された「ロサンゼルスの人は、なぜそっちを買いたくなるのか?」という、料理をいただきながらマーケティングを学ぶイベントに参加してきました。

講師はマーケティングコンサルタントで作家、大学講師でもある理央周さん。
理央さんとは数年前からご縁があり、セミナーは何度も参加させてもらっています。

で、その理央さんがプロデュースを行ったロサンゼルスとシリコンバレーで開催された「名古屋フェア」。
名古屋めしをアメリカ在住の方に紹介するイベントのマーケティングについてのお話しです。

セミナー内容についてはここでは公開できませんので(あしからず…)、
グリシーヌについてご紹介したいと思います。

明治39年、八事の街には電車が走っていたそうです。
運営を行っていたのが「尾張電気軌道株式会社」で、その創業者一族が江口家。
八事石坂の家はもともと江口家の別荘だったとか。
デザインは建築家丹羽英二さんによる伝統的な和風建築とアールデコ様式を融合させたもの。

建物は外観からまず雰囲気が良く、中に入ると広々としたエントランスと素敵なインテリアがお迎えしてくれます。
こちらでいただく料理は絶対に間違いがない!…と建物全体が語っているようです。

フォアグラのプリン

ニース風サラダ

ロース肉

ピーチ・メルバ フランボワーズのエスプーマ

実際にいただいた料理はどれも芸術的に美味しく、見た目も鮮やかに彩られ遊び心も満載。
かと言ってものすごくお高い訳でもないんです。
三拍子も四拍子も揃ったお店はなかなかないかもしれないですね。

篠田桃紅展に行ってきました

2016年6月、名古屋駅前の「JPタワー名古屋」にオープンしたKITTE名古屋。
その開業記念としてアトリウムで開催された篠田桃紅展に行ってきました。

篠田桃紅さんはニューヨークや欧米で高い評価を受け、
メトロポリタン美術館に作品が収蔵される等、
数々の輝かしい経歴をお持ちの国際的に著名なアーティストです。

篠田桃紅展

(注:リーフレットのデザインは弊社ではありません。念のため)

プロフィールには1913年生まれ、幼少より書に親しみ20代には書を教えて生計を立て、
43歳で海外進出とあります。
ということは・・・御年104歳!しかも現役で活動されています。

驚きなのは、戦後という現代とは価値観の異なる時代に自立した行き方をし、
海外への渡航がまだまだ一般的でない1950年代に渡米、
104歳になる現在も精力的に創作活動をされているという点です。

それまでの価値観や常識を打ち破る行動力にはただただ敬服するばかりです。
作品からは凛とした佇まいが感じられ、
きっとご本人も凛とした雰囲気を纏った方なんだろうと、そっと想像するのでした。

篠田桃紅展

篠田桃紅展

篠田桃紅展

田口美術さんの清水温度展とぎふメディアコスモス

天気の良い土曜日、岐阜市のギャラリー田口美術さんで
大垣市在住の作家清水温度さんの個展を行っているとのことだったので、
ドライブがてら訪問してまいりました。

岐阜県美術館近くの素敵な建物の中で出迎えてくれたのは
いくつかのパターンの組み合わせによって描かれた作品です。
お話しを伺うと、実際に型紙を用いてペイントされた作品とのこと。

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お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
近くで見ると様々な幾何学模様が、離れて見るとまた別のモチーフが見えてきます。

こちらの作家さんは元々グラフィックデザイナーとのこと。
作品はBEAMSのTシャツにもなっています。

せっかく岐阜まできたのでその後はメディアコスモスへ。
素敵な図書館ができたとのニュースは耳にしていましたが訪問するのは初めてです。

こちらの図書館はとにかく雰囲気が良く快適な空間で、
すごく居心地が良いので時間を忘れて読書や資料探しに集中できそうですね。
パターン好きの私のような人間には天井のテントが堪らない…
こんなに素敵な図書館が利用できる岐阜県民が羨ましいです。

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メディアコスモスはサインまで可愛いです。
一日居ても飽きなさそうな図書館、大好きになってしまいました。
設計は伊東豊雄さん。オリンピック会場の新国立競技場コンペは残念でしたね。

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五葉完・すけたけはづき 「おじとめいのふたり展」

名古屋駅から徒歩10分程のところにあるノリタケの森ギャラリー。
こちらで友人のすけたけはづきさんがふたり展を行うということで、陣中見舞いへと行ってきました。
タイトルにある通り、版画家のおじさま五葉完さんとのふたり展です。
ご本人は明るく快活で人見知りをしないキャラクターですが、彼女の描く作品には独特な世界観があります。

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五葉完さんの作品はこちら。御年80歳だそう。
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はづきさんは地元の同級生なんですが、なんと生年月日が一緒で生まれた病院まで一緒。
彼女は画家でわたしはデザイナー、なにか運命のようなものを感じます(笑)
現在は浜松で創作活動を行いながら名古屋以外に東京で時々グループ展を開催しています。

名古屋市中村区の大一美術館

先日、知人に連れられて名古屋市中村区の大一美術館に行ってまいりました。
大一美術館の名前と場所は何となく知っていましたが、
収蔵品についての知識はほとんどなく・・・
ガラス工芸品を収蔵する美術館だということは訪問する直前に知りました。

 
玄関を入ってすぐに目に入ったのは、巨大なシャンデリア?
600個のガラスで構成された彫刻だそうです。
どうやって作ったんでしょう。

 
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2階建ての1階部分には主にエミール・ガレやドーム兄弟などアールヌーヴォーの巨匠の作品が。
ガレといえば花などの植物をモチーフとしたガラス器や照明が有名ですね。
ドーム兄弟の独特な表現技法も間近で見ることができました。
どちらも結構な数が収蔵されているので見応えがあります。

 
2階部分は現代ガラスアートの展示が。
アメリカではじめて人間国宝となったアーティスト
デイル・チフーリさんの作品が並びます。

 
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1階も2階もかなり面白く見させてもらい、
収蔵品について全く知らなかった自分にややショックを受けた1日でした。

 

中川運河キャナルアートを応援する会 Art&Party

秋晴れの土曜日。
中川運河沿いで恒例のアートイベントと言えば中川運河キャナルアートが
今年は「中川運河キャナルアートを応援する会 Art&Party」と題して
リンナイさんの旧部品倉庫内にてパフォーマンスとパーティを開催しました。

 
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(写真は中川運河キャナルアートFacebookページ https://www.facebook.com/canalart より)

 
で、そこで何をしていたかというと
国土交通大臣表彰「手づくり郷土賞」を受賞したこともあり、
国土交通省の方や愛知県知事、名古屋市長をはじめとする様々なVIPのアテンドを行っておりました。

 
今回はデザイナーとしてではなく当日のボランティアとして。
果たしてデザイナーにきちんとしたアテンドができるのか?
疑問に思う方がいらっしゃるかもしれませんが(笑)
役目は裏千家のお茶の先生のお手伝いですのでご安心ください。

 
さて、メインのパフォーマンスはデジタル掛け軸でおなじみの長谷川章さんと
中川区出身の舞踏家浅井信好さんのコラボレーションです。

 
広々とした倉庫中に映し出される映像をバックに繰り広げられる
息も止まりそうな程の圧倒的なパフォーマンス。
非現実的で幻想的な夢のような時間でした。

 
そんな中、知人を見つけては歓談しているうちに
アルコールが進んでしまったようです。スタッフなのに(笑)

 
会場は100本の花瓶に生けられたコスモスの花に彩られ、
300名近い来場者を楽しませていました。
(私はあまりお手伝いになりませんでしたが)
スタッフの皆さま、関係者の皆さま、本当にお疲れさまでした。

 
中川運河キャナルアートFacebookページ
https://www.facebook.com/canalart

 

三重県伊賀市のギャラリーやまほん

旧正月を迎える頃、伊勢神宮への初詣のついでに
三重県伊賀市にあるギャラリーやまほんへお邪魔してきました。
東京へ行くと必ず立ち寄る器屋さんがあるのですが、
その器屋さんでギャラリーやまほんの名前の入ったフライヤーを見かけ
気になって実際に足を運ぶことにしたのです。
ソーセージが美味しいモクモク手づくりファームの近くにあり、
中に入ってみると(勝手ながらイメージしていた広さよりも)意外に広く、
作家物の伊賀焼、信楽焼を中心に漆器や布製品などの雑貨が並びます。
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一点一点手作りで作っているため形に微妙な違いがありますが、
お気に入りの一点を選ぶ時間も良いものです。
この日は小皿と湯呑みを購入し、敷地内にあるカフェへ。
珈琲を飲みながら、購入した器をどんな料理に使おうか考えるのも楽しいですね。
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南青山の根津美術館

ある2月の週末、東京に出掛ける用事ができたので
以前から訪れてみたかった根津美術館へと出掛けて参りました。
根津美術館は地下鉄の表参道駅を降りて少し歩いたところにあり
広大な日本庭園が有名です。
この日は天候が良く、庭園散策にはうってつけということで
特別展とコレクションを楽しんだ後、早速起伏に富んだ庭へと出てみました。
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庭園には手入れされた様々な樹木といくつかの茶室が美しくレイアウトされていますが
とにかく驚くのはその庭園の広大さです。
表参道・南青山近辺でこれだけの緑を堪能できるとは思っておらず
都会のオアシスと呼ばれる所以に激しく同意します。
庭園内にはカフェがあり、珈琲を片手にゆっくりと庭園を鑑賞することもできます。
ランチはこちらで、カフェといえどもかなり手の込んだパスタを頂くことに。
建物内の壁紙には和紙が用いられ、
天井からの日差しが店内を柔らかく包み込んでいました。

 

初めての大寄せ茶会

天気の良い日曜日、とあるご縁で丸の内の料亭
河文で開催された大寄せ茶会に参加して参りました。
松尾流の家元が主人の幼なじみで、
初釜があるので良かったらどうぞとお声掛けいただいたのです。
主人も私もほぼ初心者でしたが、そのような方も多く参加されると聞いて
半ば安心して出掛けていったのでした。
会場に到着すると、既に多くのお客さまで賑わっていました。
ほどなく茶室に案内をしていただきますが、なんと主人が一番の上座に誘導され
他に席も空いておらず私は二番目の席に座ることとなってしまいました。
襖が開いて家元が茶室に入ってこられると、上座に座る主人を見て苦笑いを(笑)
ですが流石家元、茶道が元々男性社会の文化であることにさらっと触れつつ、
お点前のあとには初心者の私たちのために簡単なお作法を指南してくださいました。
他のお客さまは全国各所からいらっしゃった先生やお弟子さんで、
皆さんから懐紙の置き方やお菓子の取り方、
お茶碗の持ち方や飲み方まで手取り足取り教えていただいたおかげで、
恐縮しながらも楽しく濃茶を頂くことができました。
ご同席の方々の心の広さに感動するばかりです。
掛物

お道具

点心

以前に参加させていただいたお茶会で、
先生から茶道は季節感をとても大切にする文化であることを教わりました。
お点前で使用する道具、掛物やお花それぞれに意味があることなど、
いろんな話を聞いているうちに、自分もその片鱗だけでも吸収したいと思ったものです。
そんな訳でお茶碗や道具をじっくりと拝見してから茶室を後にしました。
濃茶の後には懐石の点心をいただきましたが
一つひとつが繊細な味わいでした。
風情のある建物で風情のあるひとときを過ごした休日でした。

 

SHAMOTBLANC

先週の土曜日、八事の南山大学近くにあるSHAMOTBLANCさんにお邪魔してきました。
SHAMOTBLANCさんはライブラリーカフェで、
漆器や紳士服を取り扱うライフスタイルショップでもあります。
女性オーナーのSさんは、元々建築・インテリアのお仕事をされていたとあって、
入口から内装、調度品まで全てがセンス良くとても居心地の良い空間となっています。
こちらのSさん、ご主人のご実家が営む事業を承継し、
しばらくした後設計事務所を設立、上記ショップの運営などを行っています。
さらっと書きましたが…女性の立場でご主人のご実家の事業を承継することというのは、
かなり勇気のいる決断だったのではないかと思います。
なかなか出来ることではないですね。
そして現在、会社を立ち上げご自身の関心事を集約するようなショップを運営するという、
思いを実現する行動力は本当に素晴らしいです。
Sさんの外見は華奢でとても女性らしいのですが、
中身は男前というか男らしいというか…
私の周りにはそんな格好良い女性が多くいて、それがとても良い刺激になっているんですね。
そんな方々を見習って、女性らしさを忘れず、
でも好奇心を持っていろんな事にチャレンジして行けたら良いと思っています。
入口

店内1

店内2

中川運河キャナルアート その2

11月15日、風は冷たくとも良く晴れた土曜日
中川運河キャナルアートにスタッフとしてお手伝いに行って参りました。

 
イベントのメイン会場はリンナイの旧部品センターです。
中は驚くほど広いのですが、その一部を使用して
子どもたちのヴァイオリン演奏やパフォーマンス、マーケットを行いました。

 
中川運河に拠点を置く大沢ヴァイオリン教室には小さな子どもも居ます。
そんな子どもたちが聴き手の心を掴むような演奏を行うので
リハーサルの段階からすでに感動してしまいます。

 
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パフォーマンスを行う隣の部屋ではマーケットを行っていました。
出展者は普段多治見で河川敷サンデーマーケットとして活動している方々です。
(余談ですが、たじみ河川敷サンデーマーケットを主催するKさんのお店
「そったくどうじ」はカレーうどんがとても美味しいです!)

 
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夜は浅井信好さんを中心とするダンスと音楽のパフォーマンス。
18時頃からお客さまが集まり始め、
スタートの19時頃には用意していた席がほぼ満席に。
開演中もお客さまは次々といらっしゃり立ち見の方も相当な数となっていました。

 
倉庫のパフォーマンスはダンサーの誘導でやがて水上ステージへと移動するのですが
ほとんどのお客さまが帰ることなく、引き続き屋外でのパフォーマンスに見入っていました。
静かで冷たい空気の中で行われる、ダンサー達の体温や息遣いが伝わってくるような
美しく幻想的なパフォーマンスでした。

 
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