カタログ作成の手順と成功するためのコツ
弊社EMU DESIGNは戦略立案を得意とする名古屋のデザイン会社です。17年以上にわたり、ホームページ・カタログ・パンフレット・会社案内・ロゴマーク等の制作に携わっています。
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カタログ作成を考える際に気になるポイントについて、カタログとはそもそもどのようなものを指し、どのような用途に適しているのか、どのように作成すれば良いのか、商品の掲載方法や印刷方法はどうすればよいかなど、長い実績をもとにわかりやすく解説します。
目次
カタログ作成の手順と成功するためのコツ……1
カタログ作成の基本……2
カタログとは何か?……2
カタログの役割と効果……3
カタログとパンフレットの違い……3
カタログ作成の具体的な手順……4
ステップ1:コンテンツの企画と構成……4
ステップ2:デザインの基本……5
ステップ3:校正と修正……5
ステップ4:印刷と製本……6
カタログ作成の成功のコツ……7
カタログの掲載内容で差別化する……7
内製と外注のどちらがよいか……7
まとめ……8
カタログ作成の基本
カタログというと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。客先での営業に活用する冊子体のカタログ、展示会で配布するもの、ダイレクトメールに封入するもの、あるいはWebで配布可能な電子カタログなど、今やその形式は実に様々で、カタログを利用する方の目的や事情に合わせたものを作成することができます。
カタログとは何か?
カタログという言葉が指す基本的な意味としては、複数にわたる商品や展示物を並べて表示し、目録や案内、説明といった用途に利用されるもの、というのが一般的です。
例:厚生労働省「製品カタログ一覧」
https://www.mhlw.go.jp/content/000965984.pdf
(ある分野の複数の製品を、写真と名称、メーカーなどを付記して一覧掲載している)
カタログを作成する際には、カタログに期待する役割や効果、あるいはパンフレットとカタログのどちらがその役割に適しているかを検討するのが、最初のステップになると言えます。
カタログの役割と効果
いまではオンライン上で、ECサイトなどに並んだ情報をもとに商品を探すという消費者行動が一般的なものとなっていますが、その一方で、実店舗に足を運んでパンフレットをいくつかもらってきたり、なにかの機会で配布されたパンフレットを読んでその商品に魅力を感じたり、といった、従来のようなカタログ、つまり紙のカタログによって、商品がより魅力的に見えたり、実際に購入されたり、といったケースは非常によく見られます。
あるいは企業の営業担当者であれば、お客様の前で商品やサービスの説明をする際など、紙のカタログがどれほど役に立つかはよくご存知の方が多いでしょう。商品の説明がよりわかりやすくなったり、コピーや写真のおかげでお客様により強く興味を持っていただいたり、という効果のほか、「新しいカタログができましたので、お持ちしてよいでしょうか」など、営業機会の創出にも役立つのが、紙のカタログの大きな強みです。
カタログとパンフレットの違い
ここで、カタログとよく似た媒体である「パンフレット」とはどう違うのか、と気になった方もいらっしゃるかもしれません。それぞれの違いを、表にまとめて見てみます。
カタログ | パンフレット | |
用途 | 多数の商品を一覧で紹介 | 一つ、あるいは数の少ない商品を紹介 |
掲載情報のイメージ | 各商品の名称、スペック、価格、短いキャッチコピーなど | ある商品について深い理解をうながす豊富な特長、背景情報、活用事例など |
特長 | 取扱商品の全体が見渡せる | 個々の商品について豊富かつ丁寧な情報を伝えられる |
ターゲットの例 | 自社のことをある程度知っている既存顧客など | 特定の商品を売り込みたい新規(あるいは既存)顧客 |
冊子体、つまり、複数の紙を綴じた小冊子という点では、パンフレットはカタログと同じに思えますが、上の表のようにして各項目を比べるとわかるように、パンフレットを作る目的は、カタログとは異なるものと言えます。
カタログが多数の商品やサービスを一覧できる紹介資料、という役割を持つのに対し、パンフレットは、ひとつの商品やサービス、あるいは少ない数の商品やサービスを、より深く、豊かな情報を用いて紹介するもの、という目的で作成されます。
このため、たくさんの商品やサービスを一覧で紹介し、特性の異なるものが多岐にわたって存在し、既存顧客などにそれらを広く認知してほしい場合などは、カタログ作成が適していると言えるでしょう。
カタログ作成の具体的な手順
カタログを作成することが決まったら、次はどのように作成するか考えます。
ステップ1:コンテンツの企画と構成
掲載品目が複数、場合によっては数十、数百、数千という規模にものぼることのあるカタログという媒体には、大量の情報が記載されることになります。
このようなカタログを作成する場合は、たんに掲載する商品やサービスを決めるだけではなく、それらをどういった用途や特徴でまとめ(カテゴリー分け)、どのような共通要素あるいは個別要素を掲載するか、さらには目的のページをすぐに見つけられるようインデックスを設けるかどうか、といった、内容面、デザイン面についての検討が必要です。
このようなフローを、コンテンツ(カタログに掲載する内容)の企画や構成と呼びます。
掲載する商品やサービスによっては、写真撮影やイラスト制作などが必要になる可能性もあります。こうした点についても検討を重ねます。
ステップ2:デザインの基本
カタログを作成する際は、その企業や担当者の個性を表したスタイリッシュなものをイメージするケースが多いものです。格好の良いものや、個性をよく表したものを作ることで、顧客の印象に残るなどといったメリットが期待できます。
また、カタログに求められるデザインの要素は、「見やすいこと」です。
目的の商品やページを探しにくい、関連する商品を見つけにくい、比較検証がしにくい、といったカタログは、いくら格好が良くても、お客様に使ってもらえなかったり、営業担当が現場で活用しにくく、売上増に貢献しにかったり、といった問題が生じやすいです。
それを回避するため、デザインはカタログの役割を見失うことがないよう、よく考える必要があります。
先に述べたインデックス(目次)、あるいはインデックスに並んだ項目ごとに色を割り当てて、該当ページの柱(ツメ、各ページの左右の端)に同色を配置し、小口(カタログ冊子を閉じたときの、開き口の断面)で検索できるようにするなど、よく見られるデザインの基本的なテクニックが存在します。
過去に作られた自社あるいは他社のカタログを参考にしたり、Webで検索したりして、工夫するのがよいでしょう。
ステップ3:校正と修正
カタログデザインが一度できあがっても、それで完成とするのは早計です。その後は、校正と修正というフローが求められます。
校正とは、原稿に含まれる誤字脱字、表記ゆれ(同じ対象をページごとに違う言葉で表現しているなど)、文法的な間違い、あるいは写真や図の間違いなどがないかを細かく確認し、修正する作業を言います。
文章の執筆というのは、とくにそれが大量の情報量を扱うものとなると、正しく意味の伝わるものを作成するのは難しいものです。
そのため校正の際は、あくまで他人が読む前提で、端から端まで内容をよくチェックします。ときには、カタログ作成に関わっていないスタッフや関係者に、手分けして原稿を読んでもらい、間違い探しや意見収集を行う、などといった工夫が効果的かもしれません。
校正箇所が見つかったら、そこを修正し、また入念にチェックします。
このステップは、カタログの印刷前に行わなければ意味がありません。あるいは印刷後に修正をかけるとなると、一度できあがったカタログに手作業で修正、最悪のケースではいちから印刷工程をやり直さなければならず、工期も時間も二倍かかってしまいます。
ステップ4:印刷と製本
カタログは、数ページあるは数十、数百といったページ数を擁している都合上、必要な冊数をまかなうには、大量の紙、インク、そしてプリンタの稼働時間を必要とします。また印刷した紙は中折りし、ホチキスなどで綴じる必要があるのが、一般的です。
もちろん自分(自社)で印刷し、自分たちでホチキス止めをする、ということも不可能ではありません。ただしこの際は、一般的なカタログと同じクオリティ(美しく折られている、美しくホチキスが止められている状態)を実現するために、かなりの工夫が必要になります。
少しでも中折れがゆがんでいたり、ホチキスが一直線上に並んでいなかったりすると、カタログの見栄えは一気に悪くなるうえ、カタログを配布する企業への信頼も揺らぐ可能性があります。
一方、カタログの印刷や製本を印刷会社に依頼することで、こうしたトラブルはすべて回避できます。一番気になるのはコスト面かもしれませんが、現在では印刷会社への発注方法も多岐に渡っており、かかる時間や完成クオリティに応じて、費用も様々です。
自社の状況に応じてインターネットで検索してみるか、印刷会社やデザイン会社に相談してみると良いでしょう。
カタログ作成の成功のコツ
ここまでの内容で大まかなカタログ作成のポイントは理解できたかと思いますが、ではあなたのカタログをより効果的な媒体にするためには、どうすればいいでしょうか?
カタログの掲載内容で差別化する
あなたがカタログに掲載するものと同じジャンルのものを販売する会社、つまり競合他社も、似たようなカタログを作っているケースがよく見られます。こうした場合、他社のものと自社のものの違いがよくわからないようでは、あなたの商品やサービスを購入する決定的な動機づけができなくなってしまいます。
そこで、商品を他社のものと差別化し、お客様に選び取っていただく工夫が必要になります。
まずは自社商品の長所、あるいは他社よりも優れているポイントや、他社にはない特徴を、文章あるいはコピーにして書き出してみることです。ぼんやりと社内で共有されている長所も、社外の人間にはうまく伝わらないことが多いものです。
それを言葉(文字)にし、カタログにうまく掲載することで、お客様はよりあなたの商品やサービスに魅力を感じるようになります。
内製と外注のどちらがよいか
ここまでのカタログ作成の流れを読んで、どのような印象を持ったでしょうか? すでにカタログ作成に経験や実績をお持ちの方であれば当たり前の内容だったはずですが、こうした業務に習熟していない方、あるいはカタログ作成が初めての方の目には、なかなかの負担に映ったはずです。
現在では、パソコンのアプリケーションやウェブアプリケーション、さらにはスマートフォン上で動くアプリやサービスを用いて、自分でも簡単にデザインや印刷ができるようになっています。
そうしたものを用いれば、外注するよりも人件費を節約したり、時間やその他の費用を節約したりできそうにも思えます。
しかし、カタログ作成で最も一般的なのは、やはり専門の業者に発注するスタイルです。先に述べた印刷業者への印刷・製本の依頼もそうですが、デザイン会社に依頼すれば、このページで述べたコンテンツの企画や校正からデザイン、さらには印刷・製本まで、一括で請け負ってくれるケースがほとんどです。
しかも現在であれば、そうしたデザイン会社に外注した場合でも、費用総額の点で相談に乗ってくれるデザイン会社は多いものです。自分たちで時間をかけて作る場合よりも、外注のほうが、早く、手間なく、しかも安価なコストで仕上がるケースも珍しくありません。
カタログ作成に長い経験や数多くの実績を持ったデザイン会社ほど、そうした業務を請け負う体制が整っているケースが多く、そうした会社ではより早く、スムーズに、しかも多くの経費をかけずに完成できるなど、外注メリットは大きくなることがあります。
まずはデザイン会社に相談を行うとよいでしょう。実績のある会社であればあるほど、カタログ作成に不慣れなお客様に対応した経験やノウハウも溜まっているものです。あまり不安に考えず、気軽に相談してみるのがおすすめです。
まとめ
さて、カタログ作成に当たる際の具体的な手順やコツについて、ここまで基礎的な部分に絞って解説してみました。意外に大変なものだ、と思ったかもしれません。一度でもカタログ作成のプロジェクトチームに携わったことのある方ならまだしも、そうでなければ、想定外のこともあったのではないでしょうか。
紙のカタログを作らない会社、というのも現在では珍しくありませんが、紙のカタログを作成しようとする企業の多くは、そのカタログが収益を生む大きなツールとして機能しています。
そのため、たとえ担当者レベルでは満足なカタログだったとしても、営業部門や経営層といった他のステークホルダーからの様々な意見や不平、さらには顧客からのクレームなど、自分(自分たち)以外の人には満足のできない内容になってしまった、というケースもよく見るものです。
それだけにカタログ作成は、それを活用する様々な立場(営業、経営者、顧客など)の視点に立ち、入念な計画やチェックのもと行われるのが理想的と言えます。
もちろん自社内で済ます内製カタログにもメリットはありますが、デザイン会社への外注は、カタログ作成の苦労を大きく軽減してくれるばかりか、自分たちにはなかった視点からのアドバイスをもらうなどしてカタログの作成効果を大きく向上できたり、さらにはコスト面でも内製より安くなることがあったりなど、こちらのメリットは計り知れないとも言えます。
カタログ作成はときに苦労を伴うものですが、うまくいけばその見返りも極めて大きいものになります。自社に必要なカタログ、あるいはカタログ制作の手順とは何か、よく見極めて手掛けたいものです。